「ミッドサマー」白夜で行われる失恋ホラー
原題: Midsommar
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー
上映時間:147分
〜白夜で行われる失恋ホラー〜
家族を事故で亡くし、鬱状態の主人公のダニーは恋人や友達たち4人と共に、北欧のスウェーデンで90年に一度行われる奇祭に参加することになる。
美しい湖と木々に囲まれ、白夜で常に太陽が沈まない楽園のような場所だがしだいに…
以降一部ネタバレあり
概要
『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター長編2作目。
予告編ではフェスティバルホラーと表現されていだが、監督自身も言っているがこれは失恋の物語だった。
劇中ではヘレディタリー同様不気味な音楽が流れ、白夜で今が朝なのか夜なのかわからなくなり、まるで夢を見ているかのような雰囲気が漂っており、ゆっくりと引き込まれていく。
風景やホルガの人々も美しいが常に不穏な空気が流れており、老人が崖から飛び降りる儀式の様子や求愛の様子が描かれたタペストリーから徐々に怖さが増していき、そして友達たちが一人一人殺され、カルト宗教の実態が見えてくる。
ダニーの心境の変化
ここまで見ているとまさにフェスティバルホラーだが、序盤から主人公のダニーと恋人のクリスチャンには溝ができつつあり、失恋間近の雰囲気が所々にみれていく。
人々に囲まれ、楽しいはずの祭りにも関わらず孤独感を感じていくダニー。
クリスチャンとの恋人関係にも亀裂が大きくなっていき、徐々にダニーは自分に共感して一番に理解しているのは友達でも恋人でもなくホルガの人々だと理解していく。
普通に見れば宗教にのめり込んでしまうようにも見えるが、恋人が一番大切だと思い込んでいる状況からの救いで、本当は自分には何が必要を気づき、ラストではホルガの娘との行為をみてしまい、クリスチャンを殺す判断をする。
そのことで初めてのダニーの笑顔にらって終わるのがハッピーエンドにも感じる。
全体を通して
この映画はやはり男女で評価が全然違い女性からの評価は高いみたいだ。
女性からすれば、彼氏との決別をすることができ、主人公の精神が安定する終わりに見える。
やはり男からするとラストの焼かれる展開は怖い笑
内容がないようなだけに北欧の文化や神話の知識がないと完全には楽しめないようになっているのでパンフレットの解説や本で前知識を入れてみた方がいいと思う。
夢のような感覚になる映像がおおいので少し長くは感じてしまうが、新しいタイプのホラーなので是非見て欲しい作品だが、グロいシーンが出てくるので注意は必要。